家をリフォームしようと考えたとき、多くの人が気になるのが費用の負担です。キッチンの交換や窓の断熱改修、バリアフリー化など、理想を形にするには相応の予算が必要になります。そんなときに心強い味方となるのが、国や自治体が実施している補助金制度です。
リフォームの補助金について調べていると「この制度とあの制度は一緒に使えるのかな?」という疑問が湧いてくることもあるでしょう。実は、リフォーム補助金は条件さえ満たせば、複数を併用できるケースが多々あります。知っているかどうかで、数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。
この記事では、リフォーム補助金が併用できるパターンや、2024年度の主要な制度、そして申請時に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。これからリフォームを検討している方は、ぜひ最後まで読んでお得に住まいをアップデートするヒントを見つけてください。
リフォーム補助金は併用できる?損をしないための基本ルールを理解しよう

結論から申し上げますと、リフォームの補助金は「工事の内容や財源(お金の出どころ)」が異なれば、併用できる可能性が高いです。しかし、何でも自由に組み合わせられるわけではなく、一定のルールが存在します。
補助金は国民の税金から支払われているため、同じ一つの工事に対して、複数の国費から二重に補助を受けることは原則として認められていません。まずは、どのような組み合わせなら許可されるのか、その基本的な考え方を確認しておきましょう。
工事箇所が異なれば国の補助金を複数利用できる
国の補助金制度を複数組み合わせて使う場合、最も重要なのは「対象となる工事の箇所が重複していないこと」です。例えば、一つの窓に対して「窓の断熱リフォーム補助金」と「子育て支援のリフォーム補助金」を二重に受け取ることはできません。
一方で、「窓は窓の補助金、キッチンは別の補助金」というように、工事の対象を分けるのであれば併用が可能です。近年では「住宅省エネ2024キャンペーン」のように、複数の事業が連携しているケースもあり、これらはワンストップで併用申請ができるよう設計されています。
このように、リフォームする場所を整理して、それぞれの箇所に最適な補助金を割り当てるのが、賢く予算を確保する第一歩となります。見積もりを依頼する際に、どの工事がどの補助金の対象になるのかをプロに仕分けしてもらうのがスムーズです。
国と地方自治体の補助金は原則として併用可能
多くの方が最もお得にリフォームできるパターンが、国の補助金と、お住まいの市区町村が独自に実施している補助金の併用です。国の予算と自治体の予算は別物であるため、同じ工事箇所であっても併用できるケースが多いのが特徴です。
例えば、断熱リフォームを行う際、国の補助金を活用しながら、さらに自治体の「省エネ住宅促進補助金」を上乗せして受け取れる場合があります。ただし、自治体によっては「国費が含まれる補助金との併用は不可」と独自に定めている場合もあるため、事前に確認が必要です。
自治体の補助金は、年度の途中で予算が尽きて受付が終了してしまうことも多いため、早めの情報収集が欠かせません。市役所の窓口やホームページを確認するほか、地元の補助金事情に詳しいリフォーム業者に相談してみることをおすすめします。
介護保険のリフォーム助成金と国の補助金の関係
バリアフリーリフォームを検討されている場合、要介護・要支援認定を受けている方がいれば、介護保険制度による「高齢者住宅改修費」の支給を受けられます。これは上限20万円(自己負担1〜3割)まで補助される仕組みです。
この介護保険の助成金は、国や自治体の他の補助金と併用できる場合が多いです。例えば、手すりの設置は介護保険で行い、段差の解消や浴室の拡張は「子育てエコホーム支援事業」などの補助金を活用するといった具合に、予算の枠を組み合わせて大規模な改修を行うことが可能です。
ただし、介護保険を利用する場合は、ケアマネジャーさんとの相談や、事前申請が必須となります。補助金との兼ね合いだけでなく、介護の必要性に即した改修になっているかが重視されるため、福祉住環境の知識がある業者にアドバイスをもらうと安心です。
2024年度の注目制度「住宅省エネ2024キャンペーン」の併用術

2024年にリフォームを検討している方にとって、最も注目すべきなのが「住宅省エネ2024キャンペーン」です。これは国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携して行っている大規模な補助金事業です。複数の事業がセットになっているため、併用を前提とした計画が立てやすくなっています。
このキャンペーン内にある各事業を組み合わせることで、リフォームの内容に応じた最大級の補助を受けることができます。それぞれの事業の特徴と、どのように併用すれば効果的なのかを見ていきましょう。
子育てエコホーム支援事業で幅広いリフォームをカバー
「子育てエコホーム支援事業」は、2024年のリフォーム補助金の中心となる制度です。「子育て」と名前がついていますが、リフォームに関しては全世帯が対象となるため、幅広い方が活用できます。キッチンの節水水栓や高断熱浴槽、バリアフリー改修などが対象です。
この事業の魅力は、家全体の水回りリフォームをまるごとカバーできる点にあります。ただし、補助額の合計が5万円以上にならないと申請できないというルールがあるため、小さな工事を一つだけ行うよりは、いくつかの箇所をまとめて改修する際に向いています。
例えば、お風呂のリフォームに合わせて洗面所の手すり設置や、廊下の段差解消などを組み合わせることで、5万円の壁をクリアしやすくなります。他の省エネ事業と併用する場合は、その合計額で判定されるため、さらに活用の幅が広がります。
先進的窓リノベ2024事業との組み合わせで断熱効果を最大化
窓の断熱リフォームに特化した「先進的窓リノベ2024事業」は、補助率が非常に高く、最大200万円まで補助される注目の制度です。内窓の設置や窓交換、ガラス交換などが対象となります。冬の寒さや夏の暑さに悩んでいる方には最適な補助金です。
この「窓リノベ」は、先ほどの「子育てエコホーム」と併用が可能です。窓のリフォームは「窓リノベ」の高い補助率を使い、キッチンや浴室のリフォームは「子育てエコホーム」を使うという組み合わせが、2024年の王道の活用術と言えます。
窓を断熱化することで冷暖房の効率が上がり、リフォーム後の光熱費も抑えられるため、経済的なメリットが非常に大きいです。窓一枚からでも対象になる場合がありますが、家全体の窓をまとめて改修するほうが、一部屋あたりの工事費を抑えつつ高い補助金を受け取れます。
給湯省エネ2024事業を併せて光熱費も削減
「給湯省エネ2024事業」は、高効率な給湯器の設置に対して補助が出る制度です。エコキュートやハイブリッド給湯器、家庭用燃料電池(エネファーム)などが対象となります。古い給湯器を使っている場合、故障する前にこの補助金を使って交換するのが賢い選択です。
この事業も他の2つの事業と併用でき、給湯器の設置だけでなく、既存の電気温水器を撤去する場合の加算などもあります。「窓の断熱+水回り設備の更新+高効率給湯器への交換」をセットで行うことで、家全体の省エネ性能を劇的に向上させることが可能です。
2024年度のキャンペーンは、これら複数の事業を組み合わせて申請する場合、事業者登録をしている一社のリフォーム会社がまとめて手続きを行う形になります。そのため、バラバラの業者に頼むよりも、一括で依頼できる会社を選ぶのがスムーズな併用の近道です。
2024年度の主要補助金まとめ
・子育てエコホーム支援事業:水回りやバリアフリーに(全世帯対象)
・先進的窓リノベ2024事業:窓の断熱改修に(高い補助率が魅力)
・給湯省エネ2024事業:エコキュートなどの最新給湯器に
※これらの制度は併用を前提に設計されており、手続きも一括で行える場合があります。
税制優遇と補助金を併用してリフォーム費用をさらに抑える

補助金として現金を受け取る以外にも、リフォームに関わる費用を抑える方法があります。それが「減税制度」の活用です。補助金と減税制度は「併用ができる」ため、これらを組み合わせることで、実質的な自己負担額をさらに減らすことができます。
減税制度には、所得税の控除や固定資産税の減額などがあります。補助金を受け取った場合、その金額を工事費から差し引いた残りの額が減税の対象となる点には注意が必要ですが、それでも大きな節税効果が期待できます。
住宅ローン控除と補助金を併用する場合の計算方法
リフォームをローンで組んで行う場合、一定の条件を満たせば「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を受けることができます。これは年末のローン残高に応じて、所得税や住民税が控除される制度です。リフォーム補助金をもらっていても、この控除は利用可能です。
計算上の注意点として、「補助金の額をリフォーム費用から引いた金額」がローン残高よりも多い必要があります。もし補助金を引いた後の工事費よりも、借り入れたローンの額の方が多い場合、工事費分までしか控除の対象にならない可能性があります。
少し複雑に聞こえるかもしれませんが、基本的には「補助金をもらっても、残った工事費分についてはローン控除を受けられる」と考えて間違いありません。長期にわたって税負担が軽くなるため、大規模なリフォームをする際には非常に有利な制度です。
リフォーム後の所得税減税(投資型減税)の仕組み
ローンを組まない「自己資金」でのリフォームであっても、特定の工事を行えば所得税が控除される仕組みがあります。以前は「住宅特定改修特別税額控除」と呼ばれていたもので、現在は「リフォーム後の所得税控除」として一本化されています。
対象となるのは、断熱リフォーム、バリアフリーリフォーム、三世代同居対応リフォーム、子育て対応リフォームなどです。補助金を併用した場合、確定申告の際に補助金額を差し引いた実質的な支払額をもとに控除額を算出します。
この減税制度を利用するには、リフォーム会社に発行してもらう「増改築等工事証明書」が必要です。申請の際には「補助金を使いたいこと」だけでなく「減税も受けたいこと」を業者に伝えて、必要書類の準備を依頼しておきましょう。
固定資産税の減額措置も併せて申請を検討する
リフォームの内容によっては、その建物にかかる「固定資産税」が一定期間減額される措置もあります。例えば、耐震リフォーム、省エネリフォーム、バリアフリーリフォームなどが対象です。これは所得税の控除とは異なり、お住まいの自治体(市役所の税務課など)に申請します。
この制度の嬉しいポイントは、補助金を受け取っていても、条件を満たせばそのまま固定資産税が安くなる点です。減税される期間はリフォームの翌年1年分であることが多いですが、家を維持していく上でのランニングコストを抑えられるのは魅力です。
固定資産税の減額申請は、工事完了から3ヶ月以内という短い期限が設定されていることが多いです。補助金の入金を待っている間に期限が過ぎてしまわないよう、リフォームが終わったらすぐに市役所へ確認に行く習慣をつけておきましょう。
税金に関わる手続きは、補助金の申請とは別に自分で行う「確定申告」が必要です。会社員の方も、リフォームをした翌年は確定申告をして、しっかりと払いすぎた税金を取り戻しましょう。
補助金併用をスムーズに進めるための業者の選び方と相談のコツ

リフォーム補助金を併用するためには、制度に詳しい業者の協力が不可欠です。どんなに良いリフォームプランであっても、申請手続きが漏れてしまったり、対象外の製品を選んでしまったりすると、補助金を受け取ることができません。
補助金を最大限に活用するためには、業者選びの段階から意識すべきポイントがあります。スムーズに申請を進め、確実に補助金をゲットするためのコツをまとめました。
補助金申請の登録事業者であるかを確認する
「住宅省エネ2024キャンペーン」などの国の補助金を活用する場合、リフォーム会社が事前に「登録事業者」になっていることが必須条件です。登録されていない会社に工事を依頼しても、補助金の申請を代行してもらうことはできません。
多くのリフォーム会社が登録をしていますが、中には手続きの手間を嫌って登録していない会社や、補助金制度そのものにあまり詳しくない会社も存在します。検討している会社のホームページを確認するか、最初の問い合わせで「補助金の申請はお願いできますか?」と単刀直入に聞いてみましょう。
登録事業者であれば、これまでの申請実績も豊富である可能性が高く、複雑な併用ルールについても適切なアドバイスが期待できます。信頼できるパートナーを見つけることが、補助金獲得の成功確率をグッと高めてくれます。
見積もり段階で「補助金の併用」を希望することを伝える
リフォームの打ち合わせが進んでから「実はあの補助金も使いたいんです」と言うと、選んでいた設備が対象外でプランを練り直しになることがあります。そのため、最初に見積もりを依頼するタイミングで、補助金併用の希望を伝えることが非常に重要です。
「この予算内で、併用できる補助金はありますか?」「一番お得になる組み合わせを提案してください」と依頼してみましょう。優秀な担当者であれば、複数の補助金をパズルのように組み合わせて、実質負担額を最小限に抑えた提案をしてくれるはずです。
また、見積書の中に「補助金見込み額」を記載してもらうのも有効です。全体の予算感がつかみやすくなるだけでなく、業者側も補助金を意識した責任ある対応をしてくれるようになります。ただし、補助金は確約されたものではないという点も理解しておきましょう。
工事前後の写真撮影を徹底してくれる業者を選ぶ
補助金の申請には、工事前の状態と、工事後の状態を証明する「写真」が必ず必要です。特に、壁の中に隠れてしまう断熱材や、交換前の古い設備の型番などは、工事が進んでしまうと二度と撮影することができません。
補助金に慣れている業者であれば、申請に必要なアングルを熟知しており、漏れなく写真を撮影して保存してくれます。一方で、慣れていない業者だと写真を撮り忘れてしまい、それが原因で補助金が不採択になるという悲しいトラブルも発生しています。
契約前に「申請用の写真撮影はしっかり行っていただけますか?」と確認しておくと安心です。自分でも、念のために着工前の様子をスマホなどで撮影しておくと、万が一の際のリカバーに役立つかもしれません。
補助金併用でよくある失敗例と後悔しないための対策

補助金の併用は大変お得な仕組みですが、一方で「もらえると思っていたのにもらえなかった」というトラブルも少なくありません。特に複数の制度を併用する場合、それぞれのルールの違いが落とし穴になることがあります。
ここでは、よくある失敗事例を参考に、リフォーム後に後悔しないための具体的な対策をご紹介します。事前にリスクを知っておくことで、確実にお得なリフォームを実現しましょう。
予算上限に達して受付終了になるリスクを把握する
補助金には、それぞれ国や自治体が定めた「予算」があります。そして、ほとんどの補助金は「先着順」で、予算が上限に達した時点で受付が締め切られてしまいます。併用を考えている場合、一方の補助金は間に合ったが、もう一方が終了してしまったというケースも起こり得ます。
特に窓リフォームのような人気のある補助金は、受付開始から数ヶ月で予算が尽きそうになることもあります。また、年度末(1月〜3月)は駆け込み需要が増えるため、さらに競争が激しくなります。対策としては、とにかく「早めに計画を立てて、早めに着工する」ことに尽きます。
各補助金の公式サイトでは、現在の予算消化率が公開されています。こまめにチェックを行い、消化率が70%〜80%を超えてきたら、早急に申請手続きを進めるよう業者に促しましょう。
同一箇所への二重申請は不正受給になるので注意
意図的でないにせよ、同じ一つの窓や設備に対して、複数の国の補助金を重複して申請してしまうのは厳禁です。これは「二重取り」とみなされ、補助金の返還を求められたり、悪質な場合は不正受給としてペナルティを課されたりする恐れがあります。
例えば、「先進的窓リノベ事業」で補助金をもらった窓に対して、さらに「子育てエコホーム支援事業」の窓断熱項目でも申請を出すことはできません。「どの箇所のどの工事に、どの補助金を割り当てるか」を明確に区分けしておく必要があります。
リフォーム業者が複数の補助金を管理している場合は問題ありませんが、自分で自治体の補助金を別途申請する際などは特に注意が必要です。申請内容が重複していないか、提出前に二重チェックを行うようにしてください。
補助金交付までのスケジュールを余裕を持って組む
補助金は、リフォーム代金の支払いに直接充てられるわけではなく、工事が終わって申請が受理された後に振り込まれます。そのため、一時的にリフォーム費用の全額を自分で支払う(またはローンを組む)必要がある点に注意してください。
また、審査には数ヶ月かかることも珍しくありません。特に複数の補助金を併用する場合、入金のタイミングがバラバラになることもあります。補助金をあてにして生活費をギリギリにしてしまうと、入金までの資金繰りに苦労することになりかねません。
リフォーム計画を立てる際は、補助金はあくまで「後から戻ってくるボーナス」のようなものと考え、手元の資金計画には余裕を持たせておきましょう。支払いについても、補助金の入金を待ってくれる業者は稀ですので、事前の確認が不可欠です。
| 失敗パターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 予算切れでもらえない | 申請のタイミングが遅い | 消化率をチェックし、早期着工する |
| 不採択になる | 対象外の製品や写真不足 | 実績豊富な登録事業者を選ぶ |
| 二重申請を指摘される | 工事箇所の重複 | どの工事にどの補助金か整理する |
| 入金が遅くて困る | 審査期間の考慮漏れ | 余裕を持った資金計画を立てる |
まとめ:リフォーム補助金を併用できる制度をフル活用して理想の住まいへ
リフォームの補助金は、工事の対象箇所が重ならなかったり、国と自治体の予算を組み合わせたりすることで、賢く併用できることがお分かりいただけたでしょうか。2024年度の「住宅省エネ2024キャンペーン」のように、初めから併用を視野に入れた大型の制度も用意されています。
補助金の併用を成功させるための重要なポイントは以下の通りです。
まずは、自分が住んでいる地域や予定している工事内容で、どのような組み合わせが可能なのかを確認しましょう。国、自治体、そして介護保険や税制優遇まで含めると、リフォームの負担を大幅に減らせるチャンスは想像以上にたくさんあります。
リフォームは人生の中でも大きな買い物の一つです。補助金という制度を上手に使いこなし、予算内で最高の住まいを手に入れてください。まずは、信頼できるリフォーム会社に「補助金の併用について相談したい」と声をかけることから始めてみましょう。



