お風呂の手すり位置で失敗しないための重要ポイント!使いやすさを左右する配置のコツ

お風呂の手すり位置で失敗しないための重要ポイント!使いやすさを左右する配置のコツ
お風呂の手すり位置で失敗しないための重要ポイント!使いやすさを左右する配置のコツ
水回り・キッチンの悩み

お風呂のリフォームを検討する際、意外と悩んでしまうのが「手すりの位置」です。将来の安全のために設置したはずの手すりが、いざ使ってみると位置が合わなかったり、邪魔に感じたりして後悔するケースは少なくありません。特に浴室は水濡れで滑りやすく、転倒事故のリスクが高い場所だからこそ、慎重な検討が必要です。

この記事では、お風呂の手すり位置で失敗しないために知っておきたい基本的な考え方や、家族全員が使いやすいと感じる具体的な配置の目安について詳しく解説します。リフォーム後に「こうしておけばよかった」と後悔しないよう、実際の動作をイメージしながら最適なプランを見つけましょう。

お風呂の手すり位置で失敗しないための基本的な考え方

浴室に手すりをつける際、とりあえず適当な場所につければ良いというわけではありません。家族構成や今の身体状況、そして将来的な変化を見据えて計画することが、お風呂の手すり位置で失敗しないための第一歩です。まずは、どのような視点で配置を考えるべきか整理していきましょう。

利用する人の身長や身体状況に合わせる

手すりの最適な位置は、利用する人の体格や身体の動かし方によって大きく異なります。標準的な設置基準はありますが、あくまで目安にすぎません。例えば、背の高い方と小柄な方では、握りやすい高さに10センチ以上の差が出ることがあります。また、膝が痛い方、握力が弱い方など、個別の事情を考慮することが重要です。

特に、現在高齢のご家族がいる場合は、その方の動作を実際に観察してみるのが一番確実です。どこに手を置くと楽に立ち上がれるのか、どの位置を支えにすると安定して歩けるのかを確認しましょう。本人の使いやすさを無視して一般的な基準だけで設置してしまうと、せっかくの手すりが「ただの飾り」になってしまう恐れがあります。

もし将来に備えて設置するのであれば、平均的な身長に合わせつつ、少し余裕を持たせた配置にするのが無難です。また、ご家族の中で誰が一番頻繁にその手すりを必要とするのか、優先順位を決めておくことも失敗を防ぐポイントになります。

手すりの位置を決めるときは、実際に浴室に入って、靴を脱いだ状態で動作をシミュレーションしてみることが推奨されます。ショールームなどの展示品で、自分の身長に合う高さを計測しておくと安心です。

動作の動線をシミュレーションする

お風呂での動作は、「ドアを開けて入る」「体を洗う」「浴槽に入る」「浴槽から出る」「体を拭いて出る」といった一連の流れがあります。この「動線」に沿って手すりが配置されているかどうかが、使い勝手を大きく左右します。動線が途切れてしまうと、不安定な状態で移動しなければならない瞬間が生まれてしまいます。

例えば、洗い場から浴槽へ移動する際、手を離してから次の支えを見つけるまでの距離が長いと危険です。理想的なのは、常にどこかに手を添えていられるような配置です。一箇所に集中して手すりをつけるのではなく、動きの流れを止めることなく自然に手が届く位置を検討しましょう。

また、利き手の問題も考慮すべきです。右利きか左利きか、あるいは麻痺などの事情で片方の手が使いにくい場合は、どちらの手で支えるのが最も安全かを考える必要があります。リフォーム会社の担当者と一緒に、実際の入浴シーンを頭の中で再現しながら、必要な箇所をピックアップしていきましょう。

安全性を最優先に考える

手すり設置の最大の目的は、転倒防止と動作の補助です。そのため、安全性が損なわれるような配置は絶対に避けなければなりません。例えば、タオル掛けを代わりにするような考えは非常に危険です。タオル掛けは荷重を支える設計になっていないため、強く握った瞬間に外れて大怪我につながる可能性があります。

手すりそのものの位置だけでなく、周囲に障害物がないかも確認しましょう。手すりを掴もうとした時に蛇口に手が当たってしまったり、シャワーホースが絡まってしまったりする位置は避けるべきです。また、石鹸やシャンプーが飛び散りやすい場所は、手すり自体が滑りやすくなるため、握りやすさを確保する工夫が必要です。

安全性という観点では、手すりの「太さ」も重要です。一般的には直径32mmから35mm程度が握りやすいとされていますが、手の小さな女性や高齢者には32mmが好まれる傾向にあります。位置を決める際、サンプルを実際に握ってみて、しっかりと力が入れられるかどうかを確認することが大切です。

介助が必要な場合のスペース確保

現在は一人で入浴できていても、将来的に介助が必要になる可能性があります。その場合、介助者が入るスペースと、介助者が手すりを使わずに支えるスペースの両方が必要です。手すりをつけすぎてしまうと、かえって介助の邪魔になり、スムーズなサポートができなくなる失敗も起こり得ます。

介助を想定する場合、本人が掴む手すりだけでなく、介助者が姿勢を安定させるために使える手すりがあっても便利です。ただし、浴室の広さには限りがあるため、優先順位を整理しなければなりません。スペースが限られている場合は、跳ね上げ式の手すりなど、使わない時に収納できるタイプも検討の選択肢に入ります。

また、車椅子での入室や、シャワーチェアの使用を想定している場合は、それらの器具と手すりが干渉しないかもチェックポイントです。将来の介護まで視野に入れるのは難しいことかもしれませんが、ケアマネジャーなどの専門家にアドバイスを求めるのも一つの手段です。

浴室内のエリア別!最適な手すりの設置場所

浴室はいくつかのエリアに分かれており、それぞれで行う動作が異なります。エリアごとに適した手すりの形や高さがあるため、それぞれのポイントを押さえておきましょう。ここでは、失敗が少ないとされる一般的な設置位置の目安をご紹介します。

出入り口付近:転倒防止の縦型

浴室の出入り口は、最も転倒が起こりやすい場所の一つです。濡れた床への第一歩を踏み出す時や、脱衣所との段差を越える時に、身体のバランスを崩しやすいためです。ここには、垂直に設置する「縦型手すり」が最適です。

設置位置は、ドアの開閉の邪魔にならない範囲で、できるだけ入り口に近い壁面が望ましいでしょう。高さの目安としては、床から手すりの下端が700mm〜800mm程度、上端が1400mm〜1500mm程度になるように配置するのが一般的です。これにより、立った状態でも、少し屈んだ状態でもしっかりと握ることができます。

また、引き戸の場合は戸袋側に、開き戸の場合は吊元(ヒンジ側)ではなく取手側に近い位置に設置するのがセオリーです。出入り口の手すりは、お風呂に入る時だけでなく、上がる時に脱衣所へ一歩踏み出す際の支えとしても非常に重要な役割を果たします。

出入り口付近のポイント

・段差を越える際のバランス保持が目的

・扉の可動域を確認して干渉しない位置にする

・縦型にすることで、身長差がある家族でも使いやすい

洗い場:立ち座りを助ける横型・縦型

洗い場では、椅子に座る、立ち上がる、シャワーを操作するといった動作が行われます。ここでは足腰への負担を軽減するために、横方向の移動を支える「横型手すり」や、立ち上がりを助ける「縦型手すり」を組み合わせるのが効果的です。特にシャワーフックと一体型になったスライドバータイプを手すりとして利用するケースも増えています。

洗い場の横型手すりの高さは、椅子に座った時の肩の高さや、腰の位置を目安にします。一般的には床から700mm〜800mm程度が良いとされていますが、お使いのシャワーチェアの高さによって微調整が必要です。低すぎると前かがみになりすぎてしまい、高すぎると腕の力だけで体を支えることになり、どちらも使いにくさの原因となります。

また、立ち上がる際に便利な縦型手すりは、シャワーの近くに配置するのが効率的です。座った状態から手を伸ばして届く範囲に設置することで、スムーズに立ち上がり動作へ移行できます。洗い場は石鹸カスなどで滑りやすいため、ディンプル加工(表面の凹凸)が施された、滑りにくい素材を選ぶとより安心です。

浴槽の出入り:またぎ動作を支えるL字型

浴槽への出入りは、片足立ちになる瞬間があるため、浴室で最も危険な動作といえます。この動作を安全に行うためには、垂直方向と水平方向の両方をサポートできる「L字型手すり」の設置が非常に有効です。L字型にすることで、またぐ時の引き寄せ動作と、姿勢を保つための支えの両方を一つの手すりで賄うことができます。

設置位置は、浴槽の「またぎ越し」を行う中心付近の壁面です。縦の部分は、浴槽の縁から少し洗い場側に寄せて配置すると、足を持ち上げる際に体をしっかり引き寄せられます。横の部分は、浴槽の縁から100mm〜150mm程度高い位置に設置するのが標準的です。これにより、浴槽をまたぐ時に反対側の手で横部分を掴み、身体を安定させることができます。

このL字型手すりの位置で失敗しやすいのが、浴槽の縁との距離です。離れすぎていると腕を伸ばしきった不安定な姿勢になりますし、近すぎると動作を妨げてしまいます。ご自身の腕の長さや、実際に足を上げる時の身体の傾きを考慮して、ベストなポジションを見極めることが肝心です。

浴槽内:姿勢を安定させる低い横型

浴槽の中では、お湯に浸かっている間の姿勢を安定させたり、立ち上がりの準備をしたりするために手すりを使います。特にお湯の中では浮力が働くため、体が浮き上がってしまい、姿勢が不安定になりがちです。ここには、浴槽の縁と平行に設置する「横型手すり」が適しています。

設置する高さは、浴槽の縁から100mm程度上が目安です。浴槽の底に座った状態で、手を横に伸ばした時に自然に掴める位置が理想的です。これがあることで、お湯に浸かった状態でリラックスでき、立ち上がる際もスムーズに動作を開始できます。また、長風呂をされる方にとっては、姿勢を変える際のちょっとした支えとしても重宝します。

浴槽内の手すりは、浴槽自体の形状(段差があるタイプなど)によって最適な位置が変わります。もしユニットバスを新調するのであれば、あらかじめ浴槽の縁にグリップ(握りバー)が付いているタイプを選ぶのも一つの方法です。後付けの場合は、壁の強度を確認し、お湯が常にかかる場所でも劣化しにくい防水性の高いものを選びましょう。

浴槽内の手すりは、反対側の壁面にもあると便利です。両手で支えることができるため、足腰が弱い方でもより安全に立ち上がることが可能になります。

失敗例から学ぶ!手すり設置で注意すべきポイント

「良かれと思って設置したのに、実際には不便だった」という失敗は意外と多いものです。ここでは、リフォーム現場でよく聞かれる失敗例を挙げ、それを防ぐための対策を考えてみましょう。他の方の失敗を参考にすることで、自分たちのプランをより確実なものにできます。

高すぎて手が届きにくい失敗

最も多い失敗の一つが、手すりの位置を高くしすぎてしまうことです。「立ったまま使うから高い方が良いだろう」と思い込み、身長に対して高すぎる位置に設置してしまうケースです。手すりが高い位置にあると、肩をすくめるような不自然な姿勢になり、十分な力が入りません。特に握力の弱い方は、高い位置にあるものを強く握り続けることが難しくなります。

また、ご家族の中に小柄な方がいる場合、高い手すりは全く役に立ちません。手すりは「少し低いかな?」と感じる程度の方が、肘を軽く曲げて力を入れやすく、安定感が増します。設置前には必ず、利用する人全員が無理なく手を伸ばせる範囲を確認してください。

もし家族間で身長差が大きい場合は、縦型の手すりを長めにする、あるいは高さを変えて2本設置するといった工夫が必要です。特に浴槽の横に設置する手すりは、座った状態からの使い勝手を優先するため、立っている時の視点で決めてしまわないよう注意しましょう。

低すぎて腰に負担がかかる失敗

逆に、手すりの位置を低くしすぎてしまう失敗もあります。低い位置にある手すりを掴もうとすると、どうしても前かがみの姿勢になります。この状態で体重をかけると、腰に大きな負担がかかり、ギックリ腰などの原因にもなりかねません。特に立ち上がりを助けるための手すりが低いと、膝や腰への負担を軽減するどころか、逆効果になってしまいます。

また、低い位置の手すりは、床に近い分、汚れやカビが発生しやすくなるというメンテナンス上のデメリットもあります。お掃除の際にも屈まなければならず、負担が増えてしまいます。手すりの高さは、あくまで「自然な姿勢で、肘が軽く曲がる程度」を意識して設定するのがベストです。

目安として、洗い場での横手すりは床から70cmから80cm、浴槽の縁の手すりは縁から10cmから15cm上が基本です。これより極端に低い位置に設置する場合は、その明確な理由(特定の治療目的や、非常に低い椅子を使っているなど)がない限り、避けた方が賢明です。

シャワーや蛇口と干渉してしまう失敗

図面上では完璧に見えても、実際に設置してみると「蛇口をひねる時に手が当たる」「シャワーホースが手すりに引っかかる」といった問題が発生することがあります。浴室の壁面には、蛇口、シャワーフック、鏡、カウンター、収納棚など多くの設備があります。これらとの距離を考慮せずに手すりを取り付けると、非常に使い勝手の悪い浴室になってしまいます。

特に注意が必要なのが、シャワーの近くです。シャワーを使う時に手すりが邪魔で、腕を不自然に曲げなければならないといった失敗は珍しくありません。また、手すりのすぐ横に棚があると、石鹸などを取ろうとした時に手がぶつかってしまうこともあります。設置予定の場所をマスキングテープなどでマーキングし、周辺設備との距離感を事前にチェックしましょう。

さらに、扉の開閉範囲との干渉も忘れてはいけません。特に開き戸の場合、全開にした時に扉が手すりに当たってしまうと、扉を傷める原因になります。手すりの厚み(壁からの突き出し量)を考慮して、扉の可動域に余裕があるかを確認しておくことが重要です。

滑りやすい素材を選んでしまう失敗

手すりの「位置」だけでなく「素材」選びも、使い勝手に大きく影響します。ステンレス製の光沢がある手すりは見た目がスタイリッシュで耐久性も高いですが、表面がツルツルしているため、石鹸がついた手で握ると滑りやすいという欠点があります。せっかく位置が良くても、手が滑ってしまっては本来の役割を果たせません。

特にお風呂では、水、石鹸、シャンプーなどが付着する前提で考える必要があります。滑り止めのための凹凸(ディンプル加工)があるものや、表面がソフトな樹脂でコーティングされているものを選ぶと、軽い力でもしっかり握ることができます。冬場に触れてもヒヤッとしない「冷感緩和」の素材も、高齢の方には喜ばれます。

最近では、インテリアに馴染むような木目調のデザインや、カラーバリエーションが豊富な樹脂製の手すりも多く販売されています。安全性とデザイン性を両立させるためにも、ショールームなどで実際に触れてみて、握り心地を確認することをおすすめします。滑りやすい素材を選んでしまった後悔は、意外と後を引くものです。

滑り止め加工が施された手すりは、手の力が弱い方にとって非常に助けになります。ディンプル加工の有無で、握った時の安定感は驚くほど変わります。

手すりの種類とそれぞれのメリット・デメリット

お風呂の手すりにはいくつかの形状があり、それぞれ得意とする動作が異なります。設置場所や目的に合わせて最適な種類を選ぶことが、使いやすい浴室作りのポイントです。ここでは代表的な4つのタイプについて、特徴を詳しく見ていきましょう。

縦型(I字型)手すりの特徴

縦型手すりは、垂直に一本の棒を設置するシンプルなタイプです。主に「立ち上がり」や「段差の昇降」といった、上下の重心移動をサポートするのに適しています。最大のメリットは、握る位置を上下に調整できるため、身長が異なる家族でも同じ一本の手すりを共有しやすい点にあります。

浴室の入り口や、洗い場の椅子のすぐ横に設置するのが一般的です。また、縦型は握り込んで引き寄せる力が入りやすいため、ドアを開ける動作の補助としても役立ちます。一方で、横方向の移動を支えるのには向いていません。濡れた床を歩く際の支えとして使う場合は、横型と組み合わせるのが理想的です。

設置スペースをあまり取らないため、狭い浴室でも導入しやすいのが特徴です。デザインも豊富で、最近ではシャワーのスライドバーが手すり兼用になっている製品も増えています。スッキリした見た目を維持しつつ、安全性を確保したい場合に適した選択肢と言えるでしょう。

横型手すりの特徴

横型手すりは、水平に設置されるタイプで、主に「姿勢の保持」や「横移動」を助けるために使われます。浴槽内での姿勢安定や、洗い場を横に移動する際の伝い歩きをサポートするのに最適です。手を置いて上から体重をかけやすいため、足腰への負担を分散させる効果が高いのがメリットです。

浴槽の縁に沿って設置すれば、入浴中に身体が浮いてしまうのを防ぎ、リラックスした姿勢を保てます。また、洗い場の壁面に長く設置すれば、移動の際に常にどこかを掴んでいられる安心感が得られます。しかし、縦の動き(立ち上がり)を支えるには、腕の力が必要になるため、単独では不十分な場合もあります。

設置の際は、指をかけるスペースを確保しつつ、壁から出っ張りすぎない絶妙な距離感を保つことが重要です。低すぎると掃除の邪魔になり、高すぎると肩が凝る原因になるため、慎重に高さを決める必要があります。家族の動線を考えて、必要な長さをしっかり確保しましょう。

L字型手すりの使い勝手

L字型手すりは、縦型と横型を組み合わせた形状で、浴室において最も万能なタイプとされています。特に浴槽の出入り口付近に設置されることが多く、「横手すりでバランスを保ちながら、縦手すりで体を引き寄せる」という複合的な動作を一箇所でサポートできます。非常に効率的で、安全性が高いのが最大のメリットです。

立ち上がる動作の際にも、最初は低い位置の横部分を支えにし、立ち上がるにつれて高い位置の縦部分へ持ち替えるといった使い方ができます。一つのユニットで多機能な役割を果たすため、いくつも手すりを設置して浴室を狭くしたくない場合にも有効です。デメリットとしては、サイズが大きくなるため設置場所の制約を受けやすいことや、施工の際の下地補強が広範囲に必要になることが挙げられます。

L字の角の部分は角ばっていない丸みのあるものを選ぶと、万が一ぶつかった時も安心です。右利き、左利きのどちらが使うのかによって、L字の向き(左右)も慎重に選ぶ必要があります。多くのメーカーから標準サイズが出ていますが、特注で長さを調整できる場合もあるため、現場の状況に合わせて検討してください。

後付け可能な手すりの選択肢

リフォームのタイミングを逃してしまったり、後から必要性が生じたりした場合でも、後付けできる手すりがあります。吸盤で取り付けるタイプや、浴槽の縁を挟み込んで固定する「浴槽手すり」などが代表的です。これらは大掛かりな工事が不要で、すぐに導入できるという手軽さが大きなメリットです。

しかし、後付けタイプには注意点もあります。吸盤タイプは、壁の材質(タイルやザラザラした面)によっては剥がれやすく、全体重を預けるには不安が残るものも少なくありません。必ず「介護用」として認定されている製品を選び、定期的に吸着力を確認する必要があります。また、浴槽を挟むタイプは、浴槽の形状によっては取り付けられない場合があるため、事前のサイズ確認が必須です。

長期間にわたって安全に使用することを考えるのであれば、壁に穴を開けてしっかりとネジ留めする工事をおすすめします。最近ではユニットバスの壁を壊さずに、強度を確保しながら後付けできる専用の部材も開発されています。一時的な使用であれば簡易的なタイプでも良いですが、恒久的な対策としては施工業者による工事を検討するのがベストです。

手すり選びのポイント

・縦型:立ち上がりや入り口の補助に

・横型:移動時の伝い歩きや姿勢の保持に

・L字型:浴槽の出入りなど複雑な動作に

・後付け:手軽だが安全性と適合性の確認が重要

施工前にチェックしておきたい専門的な知識

お風呂の手すり設置を成功させるためには、位置や形だけでなく、建物の構造や公的な制度についても知っておく必要があります。これらの知識があることで、より確実な施工ができたり、費用を抑えられたりする可能性があります。工事を依頼する前に、以下のポイントをチェックしておきましょう。

壁の補強(下地)の有無を確認する

手すりには、人の体重が強くかかります。そのため、手すりを固定する壁の裏側に「下地(したじ)」と呼ばれる補強材が入っているかどうかが非常に重要です。下地がない薄い壁にネジ留めをしてしまうと、使っているうちにネジが抜けて手すりが外れ、重大な事故につながる危険があります。

新築や大規模なリフォームの際であれば、あらかじめ手すりをつけそうな場所に下地を入れておくことができます。しかし、後付けの場合は下地がないケースも多いです。その場合、壁の裏に補強板を渡してから手すりを取り付けるといった、追加の工程が必要になります。これにより、当初の予算よりも費用が高くなることがあるため注意が必要です。

最近のユニットバスには、後から手すりをつけることを想定して、特定の場所に下地が仕込まれているモデルもあります。自宅のお風呂の仕様書を確認するか、専門業者にセンサーなどで調べてもらうことが大切です。安全は何よりも優先されるべきですので、強度が確保できない場所への無理な設置は避けてください。

介護保険の住宅改修補助金を活用する

もしご家族の中に「要支援」または「要介護」の認定を受けている方がいる場合、お風呂の手すり設置費用に対して介護保険から補助金が出る制度があります。これは「住宅改修費の支給」という制度で、手すりの取り付けなどの特定の工事に対して、最大20万円(自己負担は1割〜3割)までの費用が補助されるものです。

この制度を利用するためには、工事前にケアマネジャーに相談し、必要書類を自治体に提出して「事前申請」を行う必要があります。工事が終わった後に申請しても認められない場合がほとんどですので、必ず事前の準備を忘れないようにしてください。手すりの設置だけでなく、段差の解消や滑りにくい床材への変更も対象になることがあります。

補助金を利用する場合、施工業者も制度に慣れているところを選ぶとスムーズです。ケアマネジャーと業者が連携して、身体状況に最も合った位置を提案してくれるメリットもあります。対象となる方がいるご家庭は、この制度を使わない手はありません。ぜひ賢く活用して、負担を軽減しましょう。

素材選びでメンテナンス性が変わる

浴室は湿気が多く、カビや水垢が発生しやすい環境です。手すりの素材選びは、日々の掃除のしやすさにも大きく影響します。例えば、金属製のものは水垢が目立ちやすく、こまめに拭き取らないと輝きが失われてしまいます。一方で、抗菌加工が施された樹脂製の手すりは、カビの繁殖を抑え、汚れも落ちやすいという特徴があります。

最近では、表面に細かな溝がないツルッとした質感でありながら、握ると滑りにくい特殊な加工を施した製品も登場しています。溝が多いタイプは滑りにくい反面、その溝に汚れが溜まりやすいというデメリットがあるため、清掃性と安全性のバランスを考える必要があります。お掃除の負担を減らしたいなら、継ぎ目が少なく、シンプルな形状のものを選ぶのがコツです。

また、色選びも意外と重要です。壁の色と同系色の手すりを選ぶと、浴室がすっきり広く見えますが、視力の弱い高齢の方にとっては手すりの位置が分かりにくいという問題が生じます。安全性に配慮するなら、壁の色とコントラストがはっきりした色(例えば白い壁に木目調や濃い色の手すりなど)を選ぶことで、視認性が高まり、咄嗟の際にも掴みやすくなります。

施工業者との入念な打ち合わせ

最後に、最も大切なのは施工業者とのコミュニケーションです。「お任せします」と丸投げにするのではなく、自分たちがどのように浴室を使っているか、誰が困っているかを具体的に伝えることが、お風呂の手すり位置で失敗しないための鍵となります。できれば、工事当日に立ち会い、最終的な位置を決める前に「仮止め」の状態で高さを確認させてもらいましょう。

業者はプロですが、あなたの家族の体の動かし方までは知りません。実際に浴槽をまたぐ動作をやって見せたり、椅子に座って手を伸ばしてみたりすることで、初めて最適な位置が見えてきます。1センチ、2センチの差が、使い心地に劇的な変化をもたらすことを覚えておいてください。

また、保証期間やアフターフォローについても確認しておきましょう。手すりは毎日使うものですから、万が一ぐらつきが出た時にすぐ対応してくれる業者だと安心です。見積もりの段階で、複数の業者から話を聞き、誠実に対応してくれるところを選ぶことが、満足度の高いリフォームにつながります。

図面だけでは分からない「奥行き」や「握りやすさ」は、現場でしか判断できません。可能な限り現場での確認を行い、自分たちの意見をしっかり反映させましょう。

お風呂の手すり位置で失敗しないためのポイントまとめ

まとめ
まとめ

お風呂の手すり位置で失敗しないためには、単に設置するだけでなく、利用する人の視点に立ったきめ細やかな計画が必要です。まずは、使う人の身長や動作の動線をしっかり把握することから始めましょう。出入り口、洗い場、浴槽のまたぎ、浴槽内というそれぞれのエリアに適した手すりの種類(縦型、横型、L字型)を適切に選ぶことが、安全な入浴環境を作る土台となります。

また、高すぎたり低すぎたりといった高さの失敗や、蛇口との干渉、素材の滑りやすさといった「よくある失敗例」を事前に把握しておくことも大切です。これらを避けるために、リフォームの際は実物を確認し、可能な限り現場でのシミュレーションを行ってください。安全性を左右する壁の下地確認や、介護保険の補助金活用といった専門的な知識も、納得のいくリフォームには欠かせません。

手すりは、一度設置すると長く付き合っていくものです。将来の変化を見据えつつ、今現在の使いやすさも追求することで、家族全員が安心してリラックスできるお風呂タイムを実現できます。施工業者やケアマネジャーなどの専門家としっかり相談しながら、後悔のない理想的な手すり配置を目指しましょう。

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