お部屋のリフォームや模様替えを考える際、意外と見落としがちなのが壁にあるスイッチです。実は、スイッチプレートをおしゃれなデザインに交換するだけで、部屋全体の印象は驚くほど変わります。しかし、いざ交換しようと思うと「自分でやっていいの?」「電気工事士の資格が必要?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スイッチ周りのDIYで自分ができる範囲と、プロの電気工事士に任せるべき範囲を明確に解説します。また、インテリアのプロも注目するおしゃれなプレートの選び方や、人気のメーカーについても詳しくご紹介します。小さなパーツにこだわることで、あなたの理想の住まいをより完成度の高いものに仕上げましょう。
スイッチプレートをおしゃれに交換する前に知っておきたい電気工事士の資格とルール

壁面のスイッチをおしゃれに変えたいと思ったとき、まず確認しなければならないのが法律上のルールです。日本の法律では、住宅の電気配線に関わる作業の多くが、安全のために「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行えないと定められています。
しかし、すべての作業に資格が必要なわけではありません。表面のカバーだけを付け替えるのか、それとも壁の内部にある機械そのものを交換するのかによって、自分で行える範囲が大きく異なります。まずは、安全にリフォームを楽しむための境界線を正しく理解しましょう。
自分で交換可能な「スイッチプレート」の範囲
私たちが普段目にしている、壁の表面にあるプラスチックや金属の枠のことを「スイッチプレート」と呼びます。このプレートや、その下にある取り付け枠の表面カバーを交換するだけであれば、特別な資格は必要ありません。ドライバー一本で誰でも簡単に行うことができます。
プレートはネジで固定されているタイプと、枠にはめ込まれているタイプがありますが、どちらも壁の中の配線に触れることはありません。そのため、インテリアショップや雑貨店で購入したお気に入りのデザインに、自分自身の手で気軽に付け替えることが可能です。
ただし、プレートを外した際に見える「取り付け枠」自体を壁から外したり、配線を緩めたりすることは禁止されています。あくまで「表面の装飾部分を交換するだけ」にとどめるのが、DIYで楽しむための鉄則です。この範囲であれば、初心者の方でも安心して挑戦できるでしょう。
電気工事士の資格が必須となる「スイッチ本体」の交換
一方で、スイッチのボタンを押したときの感触を変えたかったり、古いスイッチ自体が故障していたりして、中身の「スイッチ機構(器具本体)」を交換したい場合は、必ず電気工事士の資格が必要になります。これは、壁の裏側にある電線とスイッチを接続する作業が発生するためです。
電気の配線作業は、一歩間違えると感電や漏電、最悪の場合は火災の原因にもなりかねません。そのため、資格を持たない人が配線をいじることは法律で禁じられています。最近流行の「トグルスイッチ」や「アンティーク調の露出スイッチ」などは、器具ごと交換する必要があるため、プロの業者に依頼しましょう。
「たった数本の線を繋ぎ変えるだけだから自分でもできる」と考えるのは非常に危険です。接触不良による発熱は目に見えない場所で進行するため、数ヶ月後に火事になるケースもあります。おしゃれを追求するあまり、住まいの安全を損なわないよう、適切な判断が求められます。
無資格での電気工事に潜むリスクと責任
もし資格を持たずにスイッチ本体の交換工事を行ってしまった場合、いくつかの重大なリスクを背負うことになります。最も恐ろしいのは火災ですが、それ以外にも法的な罰則や、保険に関わる問題が発生する可能性があります。個人の勝手な判断で行うには、あまりに代償が大きいのです。
例えば、無資格の工事が原因で火災が発生した場合、火災保険の支払いが拒否される、あるいは大幅に減額される可能性があります。保険会社は「重大な過失」や「法令違反」に対して非常に厳しい判断を下します。たとえ自分に悪気がなくても、結果として家族や隣人に多大な迷惑をかけることになりかねません。
また、住宅を売却したり賃貸に出したりする際にも、不適切な工事が判明すると資産価値が下がったり、原状回復費用を請求されたりすることがあります。プロの電気工事士は、適切な工具と知識を用いて確実に施工してくれます。安心を「買う」という意味でも、内部工事は必ず専門家に任せましょう。
賃貸物件でプレート交換を行う際の注意点
賃貸マンションやアパートにお住まいの方がスイッチプレートをおしゃれに変えたい場合、資格の問題に加えて「原状回復」の義務についても考慮する必要があります。賃貸物件では、退去する際に借りたときの状態に戻すことが契約の基本となっているためです。
プレートの交換自体は資格不要で可能ですが、元のプレートを捨ててしまうのはNGです。退去時には元の安価なプラスチック製プレートに戻さなければならないため、外したプレートとネジはセットにして大切に保管しておきましょう。また、壁紙を傷つけないように慎重に作業することも大切です。
さらに、スイッチのボタン部分(ハンドル)まで交換したい場合は、より注意が必要です。ハンドルの形状によっては、既存のスイッチと適合しないこともあります。無理に取り付けて内部の部品を破損させてしまうと、退去時に高額な修理費用を請求される可能性もあります。無理のない範囲で、インテリアを楽しみましょう。
インテリアを格上げするおしゃれなスイッチプレートの選び方

スイッチプレートは、小さな面積ながらも壁面のアクセントとして非常に重要な役割を果たします。デザイン一つで、ナチュラル、モダン、インダストリアルなど、お部屋のテイストを強調することができるからです。しかし、種類が豊富すぎてどれを選べばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。
選ぶ際のポイントは、素材感、色、そして形状の3点です。これらを家具や建具(ドアや窓枠)の雰囲気に合わせることで、空間に一体感が生まれます。ここでは、どのようにおしゃれなプレートを選べば失敗しないのか、具体的な視点から詳しく解説していきます。
素材の質感で選ぶ(真鍮・木製・セラミック)
スイッチプレートの印象を最も大きく左右するのは「素材」です。一般的に普及しているのはプラスチック製ですが、ここを異なる素材に変えるだけで、壁の質感が一気にランクアップします。最近特に人気なのが、経年変化を楽しめる「真鍮(しんちゅう)」のプレートです。
真鍮は使い込むほどに色が深まり、アンティークのような重厚な雰囲気を醸し出します。ゴールドの輝きが上品なアクセントになるため、クラシックなインテリアや北欧テイストによく馴染みます。一方、ナチュラルで温かみのある部屋にしたいなら、オークやウォールナットなどの「木製プレート」がおすすめです。
また、少し珍しいものでは「セラミック(陶器)」のプレートもあります。つるりとした質感と清潔感があり、フレンチカントリーやレトロなインテリアにぴったりです。素材を選ぶときは、その部屋にある家具の取っ手や照明器具の素材と合わせると、統一感のあるおしゃれな空間になります。
| 素材 | 特徴・印象 | おすすめのスタイル |
|---|---|---|
| 真鍮(金属) | 経年変化で味が出る、重厚感 | アンティーク、インダストリアル |
| 木製 | 温かみがあり、手に馴染む | ナチュラル、北欧モダン |
| セラミック | 清潔感があり、汚れに強い | カントリー、カフェ風 |
| アルミ・ステンレス | シャープでクールな印象 | モダン、シンプル、オフィス風 |
部屋のスタイルに合わせたカラーとデザインの決定
次に考えたいのが「色」の選択です。スイッチプレートの色を壁紙に合わせるのか、あえて目立たせるのかによって、演出効果が変わります。例えば、白い壁紙に対してマットブラックのプレートを合わせれば、空間が引き締まり、モダンで都会的な印象を与えることができます。
逆に、壁に馴染ませて存在感を消したい場合は、壁紙の色に近いトーンを選びます。最近では「グレージュ」や「サンドベージュ」といったニュアンスカラーのプレートも増えており、流行のくすみカラーの壁紙とも相性抜群です。プレートのデザインも、角が丸いラウンド型か、エッジの効いたスクエア型かで印象が激変します。
スクエア型はシャープで知的な印象を与えるため、現代的なリノベーション空間によく合います。一方で、ラウンド型はどこか懐かしく、優しい雰囲気を作ります。自分がその部屋でどのように過ごしたいか、どのような気分になりたいかを想像しながら、形と色を組み合わせてみてください。
スイッチプレートの形状と「連数」の確認
デザインを選ぶ前に必ず確認しておかなければならないのが、スイッチの数と配置、つまり「連数(れんすう)」です。スイッチが1つの場所もあれば、照明が複数ある場所では2つ、3つと並んでいることもあります。この並び方に合ったプレートを選ばないと、取り付けができません。
一般的に、スイッチやコンセントが縦に並んでいる塊を「1連(いちれん)」と呼びます。1連の中にスイッチが1個用、2個用、3個用という種類があります。また、横にスイッチが並んでいる場合は「2連」「3連」となり、専用のワイドプレートが必要になります。DIYで購入する際は、現在ついているスイッチの個数を正確に数えておきましょう。
また、古い住宅ではスイッチのサイズ自体が現在の規格と異なる「ミルキーホワイトの小形スイッチ」が使われていることもあります。この場合、現行のおしゃれなプレートが適合しないことがあるため注意が必要です。もしサイズが合わない場合は、中身のスイッチごとプロの電気工事士に交換してもらうのがスムーズです。
コンセントプレートとの統一感を出す
部屋全体をおしゃれに見せるための隠れたコツは、スイッチプレートだけでなく「コンセントプレート」も同じシリーズで揃えることです。目線の高さにあるスイッチだけをおしゃれに変えても、足元にあるコンセントが古いプラスチックのままだと、ちぐはぐな印象になってしまいます。
特にリビングや寝室など、視界に入りやすい場所のコンセントは、スイッチと同じデザインにするのが理想です。同じメーカーの同じシリーズで統一することで、部屋の細部にまでこだわりが行き届いていることが伝わり、空間のクオリティがぐっと高まります。コンセントプレートもスイッチと同様、表面の交換だけであれば資格不要で行えます。
ただし、コンセントの数や形状(アース付き、エアコン用など)は場所によって異なるため、それぞれの場所に適した穴あきのプレートを用意する必要があります。一度に家中を交換するのは大変ですが、まずはメインとなる部屋からセットで交換してみることをおすすめします。
人気メーカーのおすすめスイッチ・コンセントシリーズ

スイッチプレートをおしゃれにしたいと考えたとき、多くの方が最初に行き着くのが国内大手メーカーの製品です。品質や安全性が担保されているだけでなく、最近ではデザイン性に特化したシリーズが数多く展開されています。
また、こだわり派の間で根強い人気を誇る専門メーカーもあり、それらを知ることで選択肢の幅が広がります。ここでは、プロの電気工事士も推奨する、インテリアに馴染むおすすめのシリーズをいくつかご紹介します。それぞれの特徴を比較して、自分の好みに合うものを見つけてみてください。
パナソニック「アドバンスシリーズ」と「SO-STYLE」
国内シェアNO.1のパナソニックが展開する「アドバンスシリーズ」は、現代のリフォームにおいて最もスタンダードかつおしゃれな選択肢の一つです。最大の特徴は、徹底的に無駄を削ぎ落とした「マットな質感」と「薄さ」です。表面にツヤがないため、指紋が目立ちにくく、壁紙にしっとりと馴染みます。
さらに、より上質な空間を目指すなら「SO-STYLE(ソー・スタイル)」がおすすめです。こちらは「存在感を持たせない」ことを追求したシリーズで、垂直水平の直線的なデザインが美しく、高級ホテルのような気品を漂わせます。どちらのシリーズも、最新の調光機能や人感センサーなどのラインナップが充実しているのが魅力です。
これらの製品は、プレートだけでなく中のスイッチ機構もセットで開発されているため、トータルで交換すると驚くほど見た目が変わります。ただし、中身から変える場合は電気工事士への依頼が必要になります。プレートのみの交換でこれらに近づけたい場合は、似た質感の互換プレートを探すことになります。
パナソニックの「コスモシリーズワイド21」という普及品をお使いの場合、アドバンスシリーズへの変更はプレートのサイズが異なるため、器具ごとの交換(要資格)が必要です。
神保電器「NKシリーズ」のミニマリズム
建築家やインテリアデザイナーから絶大な支持を受けているのが、神保電器(JIMBO)の「NKシリーズ」です。一時期は「知る人ぞ知る」存在でしたが、SNSなどの普及により、こだわり派の施主から指名されることが増えた人気のシリーズです。
NKシリーズの魅力は、究極のミニマルデザインにあります。スイッチの角が非常に鋭角で、ボタン部分に余計な装飾や文字が一切ありません。カチッとした心地よい操作感と、無機質でストイックな佇まいは、インダストリアルやモダンな空間にこれ以上なくマッチします。
神保電器の製品は、ホームセンターなどで見かけることは少なく、主にネット通販や電材店での取り扱いになります。デザイン性が非常に高いため、一部の壁面だけをNKシリーズに変えるだけでも、部屋の雰囲気が格段にスタイリッシュになります。こちらも器具ごと交換するのが基本のスタイルとなります。
ツールボックス(toolbox)のトグルスイッチとインダストリアル系
「普通のスイッチでは物足りない」「もっと個性を出したい」という方に人気なのが、toolbox(ツールボックス)などが扱うトグルスイッチです。カチリとレバーを倒す感触は、どこか懐かしく、まるで秘密基地のようなワクワク感を演出してくれます。
真鍮のプレートに無骨な銀色のレバーが突き出したデザインや、露出配線用のボックスと組み合わせたタイプなど、インダストリアル(工業系)な雰囲気を好む方にはたまりません。これらのスイッチは、プレートと機構が一体化していることが多いため、基本的にはプロの電気工事士に依頼して設置することになります。
トグルスイッチは存在感が強いため、部屋のすべてのスイッチを変えるのではなく、玄関やリビングのメインスイッチなど、象徴的な場所にだけ採用するのもおしゃれです。日常の何気ない「電気をつける」という行為が、特別な楽しみに変わるはずです。
汎用プレート(サードパーティ製)でのカスタマイズ
メーカー純正品以外にも、多くのインテリアショップや雑貨メーカーが「汎用スイッチプレート」を販売しています。これは、パナソニックなどの一般的なスイッチに取り付けられるように作られた外装カバーで、素材やデザインのバリエーションが非常に豊富です。
例えば、フレンチアンティーク風の装飾が施されたものや、タイルを敷き詰めたようなハンドメイド感のあるもの、あるいは人気キャラクターやイラストが描かれたものなど、趣味嗜好に合わせて自由に選べます。これらはプレートのみの交換を想定しているため、自分で手軽に雰囲気を変えたい場合には最適です。
ただし、購入時には必ず「対応メーカー」と「型番」を確認してください。見た目は似ていても、ネジ穴の位置が数ミリ違うだけで取り付けられないことがあります。まずは自宅のスイッチのメーカーを確認し、それに適合するものを選ぶのが失敗しないコツです。
プロの電気工事士に依頼するメリットと費用の目安

スイッチプレートの表面を変えるだけでなく、中身のスイッチ本体も交換したい場合、プロの電気工事士に依頼することになります。「わざわざ業者を呼ぶのは大げさかも」と思うかもしれませんが、プロに頼むことには、安全面以外にも多くのメリットがあります。
また、気になるのは費用のことでしょう。1箇所あたりの工事費や、まとめて依頼したときのお得な方法など、事前に知っておくべき情報をまとめました。プロの確実な施工で、デザインと機能の両方を満足させるリフォームを目指しましょう。
内部から変えることで得られる統一感と美しさ
プロの電気工事士に依頼して、スイッチ本体(機構)ごと交換する最大のメリットは、見た目の完成度が格段に上がることです。プレートだけを後付けの社外品に変えた場合、ボタン部分の色とプレートの色が微妙に合わなかったり、隙間ができたりすることがあります。
しかし、パナソニックの「SO-STYLE」や神保電器の「NKシリーズ」のように、本体とプレートがセットでデザインされている製品を選べば、完璧な統一感が生まれます。ボタンの押し心地、操作音、夜間に光るホタルランプの色の見え方まで計算されており、住まいの質が数段階アップしたように感じられるでしょう。
また、古い住宅でよくある「小さなシーソースイッチ」を、最新の「大きな押しボタン式(ワイドスイッチ)」に変更することも可能です。これにより、デザイン性が向上するだけでなく、荷物を持っているときに肘で電気をつけられるといった機能性の向上も同時に手に入ります。
工事費用の相場と内訳について
電気工事士にスイッチ交換を依頼した場合の費用は、一般的に「基本出張料」と「作業工賃」、そして「部材費(スイッチ本体代)」の合計で決まります。1箇所だけを交換する場合、出張料が割高に感じられることが多いため、注意が必要です。
一般的な相場としては、スイッチ1箇所の交換で3,000円〜8,000円程度(部材費別)です。部材費は、標準的なスイッチなら数百円からですが、デザイン性の高いアドバンスシリーズやNKシリーズだと1箇所あたり1,000円〜3,000円程度かかる場合もあります。複数のスイッチがまとまった連数の多い箇所は、その分作業工賃や部材費が加算されます。
また、特殊な配線(3路スイッチ:階段の上と下で操作できるタイプなど)や、調光スイッチへの交換、センサー付きへの変更などは、工賃が少し高めに設定されるのが一般的です。事前に見積もりを取る際は、どの場所のスイッチを何個変えたいのかを具体的に伝えるとスムーズです。
【費用内訳の例(スイッチ3箇所交換の場合)】
・基本出張料:5,000円
・作業工賃(3箇所分):6,000円
・部材費(デザインスイッチ):5,000円
合計:16,000円前後
信頼できる業者の探し方と依頼のポイント
スイッチ交換のような小規模な電気工事をどこに頼めばいいか悩む方も多いでしょう。最も身近なのは、近所の「町の電気屋さん」です。地域密着型の店舗なら、些細な依頼でも快く引き受けてくれることが多く、将来的なトラブルの際も頼りになります。
また、最近ではインターネットの「くらしのマーケット」や「ミツモア」などのマッチングサイトを利用して、地元の電気工事士を探す人も増えています。こうしたサイトでは利用者の口コミや料金体系が事前に確認できるため、安心して依頼できるのがメリットです。リフォーム会社に他の工事と一緒に相談するのも一つの手です。
依頼する際のポイントは、事前に「自分で用意したスイッチを取り付けてほしい(施主支給)」のか、それとも「おすすめのものを業者に用意してほしい」のかを明確にすることです。こだわりのデザインがある場合は、型番を伝えて取り付け可能か確認してもらいましょう。また、工事後の保証についても一言聞いておくと安心です。
まとめて依頼することでコストダウンを狙う
電気工事の費用を抑える最大のコツは、「家中のスイッチやコンセントをまとめて依頼すること」です。電気工事の費用の大きな割合を占めるのは、実は作業員の移動にかかる出張料や人件費です。1箇所だけ変えてもらうのも、10箇所まとめて変えてもらうのも、出張料は1回分で済みます。
そのため、リビングだけでなく、寝室、廊下、キッチンなど、気になっている場所をリストアップし、一度の訪問で全て作業してもらうのが最も賢い方法です。スイッチを交換するついでに、古くなったコンセントを新しくしたり、USBポート付きのコンセントを増設したりするのも良いアイデアです。
数箇所まとめて依頼することで、「セット割引」を提案してくれる業者もいます。スイッチプレートをおしゃれに変えるリフォームを検討するなら、家全体の電気設備を見直す絶好の機会と捉えて、計画的に進めていきましょう。トータルのコストパフォーマンスが格段に良くなります。
失敗しないスイッチ交換のためのセルフチェックリスト

スイッチプレートをおしゃれなものに交換しようと、勇んで商品を購入したものの、「いざ付けようと思ったら形が合わなかった」という失敗は少なくありません。スイッチの規格は意外と細かく分かれており、一見同じように見えても互換性がないケースがあるからです。
ここでは、購入前に必ず確認しておくべきセルフチェックポイントをまとめました。これらの項目を事前に把握しておくことで、無駄な買い物を防ぎ、スムーズにリフォームを進めることができます。自分で交換する場合も、業者に依頼する場合も、共通して役立つ知識です。
スイッチの「ハンドル(ボタン)」とプレートの適合
まず確認すべきは、現在使っているスイッチの「種類」です。大きく分けて、古いタイプの小さなスイッチ(フルカラーシリーズ)と、現在主流の大きなボタンのスイッチ(コスモシリーズなど)があります。これらはプレートの開口部のサイズが全く異なるため、互換性がありません。
特に、プレートだけをおしゃれな金属製や木製に変えたい場合、そのプレートが「フルカラー用」なのか「ワイドスイッチ用」なのかを確認してください。また、ボタン部分(ハンドル)そのものを変えたい場合、ハンドルはプレートではなくスイッチ本体(中の機械)に取り付けるパーツであるため、本体とメーカーを合わせる必要があります。
例えば、パナソニックのスイッチ本体に、神保電器のハンドルを無理やり取り付けることはできません。もし、ボタン部分も色や形をガラリと変えたいのであれば、中身ごと交換する前提で検討を進めるのが無難です。プレートとハンドルの組み合わせは、意外と奥が深いポイントです。
口数(1口・2口・3口)と配置の確認
プレート選びで最も間違えやすいのが、1つの枠の中にいくつスイッチが並んでいるかという「口数」の確認です。スイッチプレートには、1つの窓が開いているもの、上下に2つ分かれているもの、3つに分かれているものなどがあります。これらを正確に把握しないと、取り付けができません。
注意が必要なのは、スイッチが2つであっても、配置によって必要なプレートが異なる点です。「上に1つ、下に1つ」と離れて配置されているのか、それとも「中央に2つ」並んでいるのかによって、穴の開いている位置が数ミリ単位で変わります。一般的に「1個用」「2個用」「3個用」として販売されています。
確実なのは、今のプレートを外して、中のスイッチの付き方を確認することです。スマホで写真を撮っておき、購入時に見比べると間違いがありません。また、コンセントとスイッチが一体になっている特殊な箇所のプレートは、汎用品では見つかりにくいこともあるため注意しましょう。
壁紙(クロス)の状態とプレートのサイズ
見落としがちなのが、プレートを外した後の「壁の状態」です。現在ついているプレートよりも小さなサイズのプレートに変更しようとすると、元々のプレートが壁に食い込んでいた跡や、壁紙の汚れ、あるいは壁紙が貼られていない「穴」が露出してしまうことがあります。
特に、大きな「ワイドスイッチ」から、シュッとした細身のデザインプレートに変える場合は要注意です。元のプレートの跡が目立ってしまうと、せっかくおしゃれなプレートに変えても台無しになってしまいます。新しいプレートが現在のプレートの跡を完全に覆い隠せるサイズかどうか、事前に測っておきましょう。
もし、どうしても小さなプレートに変えたいけれど跡が気になるという場合は、壁紙の補修が必要になります。あるいは、プレートの裏に「ベースプレート」や「化粧カバー」を重ねて、汚れを隠す方法もあります。リフォームの際には、現状のサイズを基準にするのが失敗を防ぐ近道です。
古いプレートを外すと、長年の埃や静電気で壁紙が黒ずんでいることがよくあります。新しいプレートを付ける前に、中性洗剤を薄めたもので軽く拭き掃除をしておくと、仕上がりがより綺麗になります。
特殊な機能(調光・センサー)への対応
最後に確認したいのが、スイッチの「機能」です。リビングなどで照明の明るさを調節する「調光器(スライド式やダイヤル式)」がついている場合、標準的なスイッチプレートでは形状が合わないことがほとんどです。調光器専用のプレートを選ぶか、純正のオプション品を探す必要があります。
また、玄関やトイレなどでよく見られる「人感センサー付きスイッチ」や、換気扇の「タイマー付きスイッチ」も特殊な形状をしています。これらをおしゃれなプレートに変えたい場合は、かなり選択肢が限られるか、あるいはデザインを優先して機能を諦める(通常のON/OFFスイッチに変える)などの決断が必要になることもあります。
高機能なスイッチほど、専用のカバーでなければ収まらないケースが多いです。無理にプレートを加工して取り付けようとすると、センサーが反応しなくなったり、操作性が損なわれたりするためおすすめしません。機能性とデザインを天秤にかけ、必要であればプロの電気工事士に相談してみましょう。
スイッチプレートのおしゃれな交換で理想の住まいをまとめ
スイッチプレートの交換は、住まいの印象を細部から整える、非常に効果的なリフォームです。毎日何度も触れる場所だからこそ、お気に入りのデザインに変えることで、日常の満足度は大きく向上します。最後に、この記事でお伝えした重要なポイントを振り返ってみましょう。
まず、表面のプレート交換だけなら資格不要ですが、内部の配線に関わるスイッチ本体の交換は必ず電気工事士に依頼してください。安全を最優先にすることが、長く快適に暮らすための大前提です。DIYで行う場合は、既存のスイッチとの適合性や連数をしっかり確認しましょう。
デザイン選びでは、部屋のテイストに合わせて真鍮や木製、マットな質感のものなどを選ぶと、空間がぐっと引き締まります。パナソニックの「SO-STYLE」や神保電器の「NKシリーズ」のような、プロも愛用するシリーズを取り入れるのも素敵です。また、コンセントプレートも同じシリーズで揃えることで、統一感のある洗練されたインテリアが完成します。
小さなこだわりが、家全体のクオリティを支えます。スイッチプレートという「小さなパーツ」を見直して、あなたの理想とするおしゃれな住まいを形にしていきましょう。迷ったときは信頼できる電気工事士に相談して、安全でおしゃれな暮らしを手に入れてください。



